サヌカイト 音楽の石

サヌカイトとは

サヌカイトの歴史と鉱物学

サヌカイトと人類との歴史は、約2万年ほどまでさかのぼります。
サヌカイトは石器時代、薄く割られてその割口が刃物のように鋭利になるため、優れた石器として利用されてきました。
サヌカイトは産出のほとんどが讃岐地方、香川県ですが、サヌカイトの石器は西日本の各地で発見されており、交易品として重宝されていたことがうかがわれます。
サヌカイトの石器の種類は、尖頭器、ナイフ形石器、石鏃、石匙、石錐といったものが出土しています。

サヌカイトはその後、叩けば金属的で済んだ音がするという特質から、仏具、鐘などに加工され使われてきました。
サヌカイトの俗称、「カンカン石」はサヌカイトの特徴をよくつかんだ呼び名です。

鉱物としての学名である「サヌカイト」の命名は、1891年、ドイツの地質学者ヴァインシェイクによります。
彼はサヌカイトの主要な産地を訪れ、調査と発掘をして「サヌカイト」の名をつけました。讃岐の石、の意味です。
サヌカイトは、鉱物のグループとしては古銅輝石安山岩(珪酸塩鉱物)に属します。
サヌカイトの外見は青みががった灰色、もしくは黒色で、ガラス質の光沢を持ちます。まれに斑晶を見せるサヌカイトもあります。
サヌカイトの結晶は非常に緻密で、主要な成分はガラス、斜方輝石、磁鉄鉱、斜長石などから構成されています。
サヌカイトは約1300〜1400万年前、瀬戸内海が陸地であったころ、一帯の火山活動によって生成されたと考えられています。
火山の噴火で溶岩が流れ出し、その一部がサヌカイトの層となったのです。
サヌカイトは丘の上や山の尾根など、比較的に高度の高い場所から産出されます。
これはサヌカイトの層の下にある地層が約8000年前の白亜紀の花崗岩で、花崗岩は溶岩よりも風化に弱いため、その後の地盤隆起で花崗岩、サヌカイト層が丘や山を作った時、花崗岩は風化しサヌカイトが残ったせいだといわれています。

サヌカイトの歴史は石器から始まり、仏具、そして楽器・インテリアや庭石へと移り変わってきました。
瀬戸内海の火山の溶岩から生まれた鉱物、サヌカイト
サヌカイトの今後がどうまた変わってゆくのか、楽しみです。



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